2ヶ月後の夜
2014年 10月 21日
「それにしても、あの夜の雨はとんでもなかったね」
土砂災害から2ヶ月。
とニュースも言うので、娘と話した。
私が強烈に記憶に残っているのは、
途切れもなく崩れ落ちるように降る雨と泥の匂い。
娘は、ひかりっぱなしの雷と、
ゴポン、ゴポポッポン、ゴッポン、ゴポン…と
排水管が処理しきれずに呻いている音。
ああ、そういえば、あの音も一晩中なりやまなかったな。
あの朝、夜があけるまで、眠ることもできずにいた。
娘にも、その緊張感が伝染したに違いない。
明け方、雨が一段落したあと、
「母さん、寝不足で気持ち悪~い。寝る」
と、カーテンしめて再び布団にもぐりこんだ娘。
「8時には起こして~」とだけ言って。
夏休みでも、勉強会に登校していた娘。
担任の先生の『涼しい冷房の効いた教室で勉強会しましょう』という発案に、
娘と仲良しのクラスメートは夏休みも通学していた。
っても、娘と仲良しちゃんの2人きり(笑)。
勉強よりお喋りが目的に違いなく(笑)。
それでも、部活に行けなくなっている娘が、
一緒に時を過ごせる友達と巡り合えたことに感謝し送り出していた。
前日も先生の机に
『明日もきま~す』と置き手紙をして帰ってきていた娘たち。
もちろん、登校するつもりだった、その日も。
そのときは、まさか、こんなことになっているなんて知らず。
6時前だったか、娘の学校から最初のメールが来た。
確か『本日の野球部の試合は中止です』だったと記憶している。
まだ学校側も、こんな大変なことになってるとわかっていなかったんだろう。
それから、テレビのニュースに食い入るように見てるあいだ、
娘は寝ていた。
映像をみて、『こりゃ、学校どろこじゃないぞ』とガクゼンとしてたら、
学校から再びメールが届いた。
『不要不急の登校は避けてください』
そりゃそうだろ。
もちろん、勉強会どころじゃない。
ヘリコプターがばんばん飛ぶ中、
泥の匂いの中、
泥をかきだすシャベルがアスファルトと摩擦する音の中、
それこそ、泥のように眠っていた娘に声をかけた。
直後、勉強会の約束をしていた友達から電話がきた。
その子の家の周りも土砂だらけで、
その子はおばあちゃんの家に行くらしい。
娘 「まさか、勉強会、ないよね」
友 「ないない!」
その後、1週間遅れで学校が再開するまで、
友と会うこともなく、夏休みを過ごした娘。
新聞に載っている『避難されている方々』の名前の中にクラスメートを見つけ、
通っていた小学校の体育館をテレビのニュースで見て。
直接に被害がなかったことを、
ありがたいと思ってよいのか、
申し訳なく思っていればよいのか、
どう思っても救われないのか、
カープを大声で応援してもよいのか、
ドラマを見て笑ってもよいものか、
私がもんもんと時を過ごす中、
娘ももんもんと時を過ごしていたのだろう。
2ヶ月たって、ポツポツと話した夜でした。
土砂災害から2ヶ月。
とニュースも言うので、娘と話した。
私が強烈に記憶に残っているのは、
途切れもなく崩れ落ちるように降る雨と泥の匂い。
娘は、ひかりっぱなしの雷と、
ゴポン、ゴポポッポン、ゴッポン、ゴポン…と
排水管が処理しきれずに呻いている音。
ああ、そういえば、あの音も一晩中なりやまなかったな。
あの朝、夜があけるまで、眠ることもできずにいた。
娘にも、その緊張感が伝染したに違いない。
明け方、雨が一段落したあと、
「母さん、寝不足で気持ち悪~い。寝る」
と、カーテンしめて再び布団にもぐりこんだ娘。
「8時には起こして~」とだけ言って。
夏休みでも、勉強会に登校していた娘。
担任の先生の『涼しい冷房の効いた教室で勉強会しましょう』という発案に、
娘と仲良しのクラスメートは夏休みも通学していた。
っても、娘と仲良しちゃんの2人きり(笑)。
勉強よりお喋りが目的に違いなく(笑)。
それでも、部活に行けなくなっている娘が、
一緒に時を過ごせる友達と巡り合えたことに感謝し送り出していた。
前日も先生の机に
『明日もきま~す』と置き手紙をして帰ってきていた娘たち。
もちろん、登校するつもりだった、その日も。
そのときは、まさか、こんなことになっているなんて知らず。
6時前だったか、娘の学校から最初のメールが来た。
確か『本日の野球部の試合は中止です』だったと記憶している。
まだ学校側も、こんな大変なことになってるとわかっていなかったんだろう。
それから、テレビのニュースに食い入るように見てるあいだ、
娘は寝ていた。
映像をみて、『こりゃ、学校どろこじゃないぞ』とガクゼンとしてたら、
学校から再びメールが届いた。
『不要不急の登校は避けてください』
そりゃそうだろ。
もちろん、勉強会どころじゃない。
ヘリコプターがばんばん飛ぶ中、
泥の匂いの中、
泥をかきだすシャベルがアスファルトと摩擦する音の中、
それこそ、泥のように眠っていた娘に声をかけた。
直後、勉強会の約束をしていた友達から電話がきた。
その子の家の周りも土砂だらけで、
その子はおばあちゃんの家に行くらしい。
娘 「まさか、勉強会、ないよね」
友 「ないない!」
その後、1週間遅れで学校が再開するまで、
友と会うこともなく、夏休みを過ごした娘。
新聞に載っている『避難されている方々』の名前の中にクラスメートを見つけ、
通っていた小学校の体育館をテレビのニュースで見て。
直接に被害がなかったことを、
ありがたいと思ってよいのか、
申し訳なく思っていればよいのか、
どう思っても救われないのか、
カープを大声で応援してもよいのか、
ドラマを見て笑ってもよいものか、
私がもんもんと時を過ごす中、
娘ももんもんと時を過ごしていたのだろう。
2ヶ月たって、ポツポツと話した夜でした。
by a-kik
| 2014-10-21 15:14